虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(こいつ……っ)
まさか獣のような攻撃手段を繰り出して来るなど、夢にも思わない。
激痛に耐えきれずリシーロから手を離した瞬間、待ってましたとばかりに白い髪を振り乱した少女が逃亡を図る。
「捕まえて」
「はっ」
ムガルバイトはすぐさま騎士に命じたが、逃げ足だけは早かったようだ。
結局、彼女が国王の前へ姿を見せることはなかった。
「あの女も、あいつも、俺の苛立つことしかしないな……」
玉座に座ったまま、ぽつりと呟く。
エクリーユに笑いかけていた頃に見せていた、優しい好青年の顔など微塵も感じられない。
漆黒の瞳は泥濘み、光が宿っていないように見える。
まさしく、死んだ目と称するにふさわしかった。
(俺のエクリーユ……。君はどうして、あんな奴を好きになってしまったの……?)
目を閉じる度に、最愛の妹が遠く離れた地で暮らす光景がリアルタイムで流れ込んでくる。
彼女は父親によって王城を追い出された乳母に支えられながら、あの男がいない時は黒猫と戯れ、穏やかな暮らしを営んでいた。
まさか獣のような攻撃手段を繰り出して来るなど、夢にも思わない。
激痛に耐えきれずリシーロから手を離した瞬間、待ってましたとばかりに白い髪を振り乱した少女が逃亡を図る。
「捕まえて」
「はっ」
ムガルバイトはすぐさま騎士に命じたが、逃げ足だけは早かったようだ。
結局、彼女が国王の前へ姿を見せることはなかった。
「あの女も、あいつも、俺の苛立つことしかしないな……」
玉座に座ったまま、ぽつりと呟く。
エクリーユに笑いかけていた頃に見せていた、優しい好青年の顔など微塵も感じられない。
漆黒の瞳は泥濘み、光が宿っていないように見える。
まさしく、死んだ目と称するにふさわしかった。
(俺のエクリーユ……。君はどうして、あんな奴を好きになってしまったの……?)
目を閉じる度に、最愛の妹が遠く離れた地で暮らす光景がリアルタイムで流れ込んでくる。
彼女は父親によって王城を追い出された乳母に支えられながら、あの男がいない時は黒猫と戯れ、穏やかな暮らしを営んでいた。