虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「今日は天気も天気もいいし、せっかくだからお散歩に行きましょうか」

「なぁん」

「姫様。せっかくですから、陛下へ会いに出かけてはいかがでしょうか。今であれば、花壇迷路で庭師と打ち合わせをしている時間ですので……」

「そうね」

 エクリーユは乳母の提案を受け入れ、寝室をあとにする。
 その結果――花壇迷路の入口へ辿り着く前に、己の安全が脅かされることになると気づくことなく……。

 *

「どうしてわたしの言うことが聞けないのよ!?」

 耳障りな金切り声を聞くのには、もう馴れてしまった。

(ついに、こんなところまで忍び込むようぬなってしまったのね……)

 エクリーユは非常識な妹の行動に呆れてものも言えぬまま、遠くからリシーロと騎士が言い争う声に耳を傾けた。

「陛下のご命令です。アティール王国の第3王女は、けして王城の中へ入れるな、と仰せつかっておりますので……」

「なら、ここにエクリーユを呼んで!」

「できません」

「なんで!?」

 リシーロはアティール王国の第3王女だ。
< 210 / 246 >

この作品をシェア

pagetop