虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(お礼を言わなければいけないと、わかっているはずなのに……)
どうしても、うまく声が出て来ない。
エクリーユは心を落ち着かせるため、婚約者から視線を外した。
「なぁん」
胸元で大人しくしている黒猫は、少女と目が合った瞬間に甘えた鳴き声を上げる。
(黒猫さんも不安に思う必要はないと、背中を押しているわ……)
小動物をじっと見つめていると、だんだん気持ちが落ち着いてきた。
エクリーユはゆっくりと顔を上げ、こちらの様子を伺う紫の瞳と視線を交わらせた。
「心配するな。もう二度と、あの女はエクリーユに近づけない」
「リドディエ、様……」
「もちろん、あの男もだ」
「わ、私は……っ」
もう不安に思う必要などないと語るリドディエに納得がいかず、エクリーユは声高らかに宣言する。
「リシーロの言葉になんて、惑わされないわ……!」
「ああ」
「ムガルバイト兄様にこちらが知らない顔があったとしても、構わない。私にはもう、関係のない話ですもの!」
己が兄を愛し、信頼していたのは過去の話だ。
今の自分にとって一番大切なのは、ムガルバイトではなくリドディエだった。
だからこそ――。
どうしても、うまく声が出て来ない。
エクリーユは心を落ち着かせるため、婚約者から視線を外した。
「なぁん」
胸元で大人しくしている黒猫は、少女と目が合った瞬間に甘えた鳴き声を上げる。
(黒猫さんも不安に思う必要はないと、背中を押しているわ……)
小動物をじっと見つめていると、だんだん気持ちが落ち着いてきた。
エクリーユはゆっくりと顔を上げ、こちらの様子を伺う紫の瞳と視線を交わらせた。
「心配するな。もう二度と、あの女はエクリーユに近づけない」
「リドディエ、様……」
「もちろん、あの男もだ」
「わ、私は……っ」
もう不安に思う必要などないと語るリドディエに納得がいかず、エクリーユは声高らかに宣言する。
「リシーロの言葉になんて、惑わされないわ……!」
「ああ」
「ムガルバイト兄様にこちらが知らない顔があったとしても、構わない。私にはもう、関係のない話ですもの!」
己が兄を愛し、信頼していたのは過去の話だ。
今の自分にとって一番大切なのは、ムガルバイトではなくリドディエだった。
だからこそ――。