虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「リドディエ様?」

「無事か!」

「ええ……。考え事をしていただけですもの」

「なぜ、こんなところで……!」

「その言葉、そっくりそのままお返しするわ」

「騎士の報告を聞いた。エクリーユが、黒百合の花壇で倒れていると」

「それは……」

 いろいろと語弊のある報告を受けたのならば、リドディエが焦るのも無理はないだろう。

「リドディエ様も、寝転がってみてはいかがかしら。黒百合に囲まれて寝そべると、心が落ち着くのよ」

「まったく、君は……。そんなところに惚れた僕も、悪いんだろうな……」

 彼は紫色の瞳をどこか困ったように和らげたあと、エクリーユの隣に横たわる。

「ふむ……。確かに、不思議な感覚だ……」

「でしょう? ここに来なければ、一生体験出来なかったわ」

 背中から伝わる寝心地があまりいいとは言えぬ固い土の感覚、ツンと鼻につく黒百合の匂い――。
 2人がそれを堪能しながら、無言の時を過ごしてどのくらい経過しただろう。
 徐ろに、陛下が口を開く。
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