虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「何かしら……? 聞く準備は、いつでも出来ているわ」

「君もずっと、疑問に思っていたはずだ。兄妹がなぜ、婚約者になれたのか……」

 彼の口から兄の秘密を聞けば、冷静ではいられなくなった。

「ムガルバイトは、実の兄ではない。先王の、忘れ形見だ」

 エクリーユは最初、先王という単語が表すのは父親だと思っていた。
 しかし、実のという単語が補足されたことにより、ようやく合点がいく。

(お父様よりも前の王……。つまり、王兄……)

 父親の前に玉座に座っていた男性は、少女から見ると叔父に当たる人物だ。
 彼が先王の息子なら、自分たちは従兄弟と言うことになる。

(それなら、結婚も問題ないわね……)

 リシーロとムガルバイトの婚約は、禁断の恋でもなんでもなかった。
 それにようやく気づいたエクリーユは、なんとも言えない気分でいっぱいになる。

「兄様はどうして私たちに、真実を伝えなかったのかしら……?」

「さぁな。それは、本人に聞いてみなければわからん」

 リドディエは理解に苦しむと言わんばかりに眉を顰めると、エクリーユに問いかけた。
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