虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「あの男と顔を合わせても、その気持ちが揺らぐことなく続くように願っている」

「そうね……。私はあなたにいだく愛が本物だと、もっとはっきりと伝える努力をしなければいけないようね」

「エクリーユ……?」

 少女はいつまで経っても自分の気持ちが誰にも引き裂けない程に強固なものだと信じてもらえないことに苛立つ。
 エクリーユは思い切って、彼の頬に触れるだけの口づけを落とした。

「私が好きなのは、リドディエ様よ」

「……疑って、すまなかった」

「わかればよろしい」

「そろそろ戻ろう」

「そうね」

 エクリーユはムガルバイトがこの光景を見ていることを願い、ベタベタと最愛のリドディエへ纏わりつく。

(私たちの絆が引き裂けないほどに強いことを知らしめれば、きっと兄様は諦めてくださるはず……)

 見当違いな思惑をいだいた結果、兄の狂気をさらに加速させる羽目になるなど気づくことなく――こうしてエクリーユは、陛下と幸せなひとときを過ごすのだった。
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