虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「君が好きだからに、決まっているじゃないか」

「それは、愛とは呼ばないわ!」

「じゃあ、俺がエクリーユに向けるこの感情は、なんと称するべきだと言うの?」

「狂ってる……!」

 エクリーユが勢いよく吐き捨てた言葉を反芻した彼は、どこか困ったように肩を竦めて告げる。

「狂気、か。それは、ちょっと違うかな。俺とリドディエは、君に強い執着心と独占欲をいだいている」

「陛下とあなたを、一緒にしないで!」

「同じだよ。彼がエクリーユを奪い取らなければ、君は俺を好きになっていた」

「違うわ……!」

 ムガルバイトの目は、笑っていなかった。
 少女は必死に彼の主張を否定すると、己の耳を小さな手で塞ぐ。

「君は自分を愛してくれる人なら、誰でもよかったんだ。リドディエじゃなければいけない理由なんて、存在しない。そうだよね?」

「私、は……っ」

 エクリーユは唇を噛み締め、言葉を詰まらせた。
 反論できない時点で図星だと都合のいいように解釈したムガルバイトは、口元だけを綻ばせて妹を誘う。
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