虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
最後に取る行動は、似通うのかもしれない。
エクリーユは慌てて覚悟を決めたムガルバイトに制止の声をかける。
「俺の最愛。これから起こる光景を、しっかりと目に焼きつけて――」
「兄様、待っ……!」
しかし、間に合わない。
兄はあろうことか舌を噛み切り、自害を試みたのだ。
異変を察知したリドディエはすぐさま剣を放り投げ、彼の喉元に腕を突っ込む。
「リドディエ様……!」
勢いよく歯を立てられても、彼は悲鳴すら上げなかった。
「陛下! こちらを!」
「助かる」
エクリーユの悲痛な叫びを聞きつけた騎士の1人が、慌てて国王にタオルを差し出す。
彼はそれを自らの腕の代わりにムガルバイトの口へ突っ込むと、そのまま兄の両手足を馴れた手つきで拘束する。
その後、真っ青な顔で動けなくなっているイトゥクに声をかけた。
「こいつの代わりに、王になる覚悟はあるか」
第5王子はぶんぶんと首を振り、無言で王にはなりたくないと否定をした。
(イトゥク兄様は、誰がどうみても王の器ではないもの……。無理もないわ……)
大人しくて、引っ込み思案で、おどおどしている。
誰かに命令されずに自分から行動できることがあるとすれば、逃げるという選択肢くらいだ。
エクリーユは慌てて覚悟を決めたムガルバイトに制止の声をかける。
「俺の最愛。これから起こる光景を、しっかりと目に焼きつけて――」
「兄様、待っ……!」
しかし、間に合わない。
兄はあろうことか舌を噛み切り、自害を試みたのだ。
異変を察知したリドディエはすぐさま剣を放り投げ、彼の喉元に腕を突っ込む。
「リドディエ様……!」
勢いよく歯を立てられても、彼は悲鳴すら上げなかった。
「陛下! こちらを!」
「助かる」
エクリーユの悲痛な叫びを聞きつけた騎士の1人が、慌てて国王にタオルを差し出す。
彼はそれを自らの腕の代わりにムガルバイトの口へ突っ込むと、そのまま兄の両手足を馴れた手つきで拘束する。
その後、真っ青な顔で動けなくなっているイトゥクに声をかけた。
「こいつの代わりに、王になる覚悟はあるか」
第5王子はぶんぶんと首を振り、無言で王にはなりたくないと否定をした。
(イトゥク兄様は、誰がどうみても王の器ではないもの……。無理もないわ……)
大人しくて、引っ込み思案で、おどおどしている。
誰かに命令されずに自分から行動できることがあるとすれば、逃げるという選択肢くらいだ。