虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(どうしたのかしら……? なんだか、とても苦しそうだわ……)

 エクリーユはその反応に違和感を感じ、不安そうに問いかける。

「リドディエ様は、私ではなくてもいいの?」

「まさか!」

 しかし、どうやらそれはこちらの杞憂だったらしい。
 彼は紫の瞳を気まずそうに逸らすと、ゴニョゴニョと聞き取りづらい声でぽつりと呟く。

「僕も、同じ気持ちだ。しかし……。懸念材料があってだな……」

「そうなの?」

「ああ……」

 そうして彼が語ったのは、今さら聞くまでもないリドディエの秘密だった。

「僕は、君が思っているような男ではないんだ。少しでも気を抜くと、ムガルバイトのように狂気的な部分を出してしまいそうになる……」

「リドディエ様の新たな一面を知れるなんて、嬉しいわ」

「そんなふうに、喜んでもらえるようなものではないんだ」

 彼は呆れたように声を発するが、エクリーユは口元を綻ばせて告げる。
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