虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
 浅い呼吸を繰り返していたせいか、どんどんと息を吸うのが苦しくなり、自分でも過呼吸になりかけているような感覚があった。

 少女は己の身体を抱きしめる陛下力が強まったのを認識し、真紅の瞳を潤ませた。

「リドディエ、様……」

「君には、休養が必要だ」

「ならば、永遠の眠りを……」

「それは、許可できん」

「どうして……」

 彼は何度目かわからぬ願望を考えるまでもなく棄却した。
 その後、エクリーユの耳元で囁く。

「絶望の中、君が命を落とす姿を間近で見届けるなど――耐えられない」

 リドディエは少女の置かれていた状況を、まるで自分のことのように感じて心を痛めてくれているらしい。
 国王は「ここにいるべきだ」と己が思えるように、優しく諭す。

「彼らよりも幸せになって、見返してやればいいだろう」

「私は、罪人よ。そんなの、無理に決まっているわ……」

「そうだな。確かに、1人では難しいかもしれん。だが……」

 この期に及んでもまだ自分は幸せになるわけにはいかないと思い悩む少女に向かって、リドディエは左手を差し出した。
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