虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「そうよね……。お父様が現実から目を背けようとするのも、無理もないわ」

「わかってくれるか!?」

「ええ。もちろんよ」

「ならば……」

 彼はこのまま命を落とすよりも、国民からの支持率が落ち、玉座を引き摺り落とされるほうが嫌なようだ。
 この期に及んでもまだ、その椅子から退くつもりはないらしい。

(哀れな人ね……)

 エクリーユは心の中で父親に対して軽蔑の眼差しを向けながら、歌うように声を発した。

「王家の子どもたちは、誰よりも尊重されるべきなのに……。あなたの勘違いによって、8年間も虐げ続けたんですもの。こんな醜聞を国民たちに知られたら、王様ではいられなくなってしまうものね?」

 己の発言を耳にした人々は、誰もが露骨にたじろいだ。

(無理もないわ……)

 ――王家の血を引く直系の子どもたちは、エクリーユになんらかの危害を加えていた。
 父親が王座から転がり落ちたところで、清廉潔白な状態で空いた椅子に座れる人間は限られている。

 それが誰なのかについては、国王もすぐに理解できたようだ。
 彼はすぐさま、憎しみの籠もった視線とともに息子の名を口にした。
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