虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「ひ……っ!」
また兄妹の誰かがやってきて、傷つけられる。
そんな恐怖に引き攣った悲鳴を上げ、膝を抱えて丸まったエクリーユの小さな身体を優しく抱きしめてくれたのは、意外な人物だった。
「姫様。異能が開花するまでの辛抱ですよ。苦しい時は、一瞬で終わります。もう少しだけ、頑張りましょうね」
「テラマ……!」
少女の境遇を不憫に思って優しい言葉をかけてくれた乳母の名は、テラマ。
エクリーユが唯一心を許し、母親のように甘えられる存在だった。
(どんなに苦しくても、悲しいことがあったとしても……。テラマが私を抱きしめてくれるから、耐えられる……)
彼女のぬくもりを堪能しながら年相応の子どものようにわんわんと泣き叫んで疲れて眠る生活は、長く続かなかった。
「奥様にそっくりな白髪の姫様が、生まれましたよ!」
「あ、あ……っ。よかった……陛下の、赤ちゃん……。無事、に……」
――エクリーユが、末姫ではなくなったせいだ。
少女が不義の子だと疑われてから怒り狂った国王が、王妃と営んだ結果生まれた愛の結晶だった。
また兄妹の誰かがやってきて、傷つけられる。
そんな恐怖に引き攣った悲鳴を上げ、膝を抱えて丸まったエクリーユの小さな身体を優しく抱きしめてくれたのは、意外な人物だった。
「姫様。異能が開花するまでの辛抱ですよ。苦しい時は、一瞬で終わります。もう少しだけ、頑張りましょうね」
「テラマ……!」
少女の境遇を不憫に思って優しい言葉をかけてくれた乳母の名は、テラマ。
エクリーユが唯一心を許し、母親のように甘えられる存在だった。
(どんなに苦しくても、悲しいことがあったとしても……。テラマが私を抱きしめてくれるから、耐えられる……)
彼女のぬくもりを堪能しながら年相応の子どものようにわんわんと泣き叫んで疲れて眠る生活は、長く続かなかった。
「奥様にそっくりな白髪の姫様が、生まれましたよ!」
「あ、あ……っ。よかった……陛下の、赤ちゃん……。無事、に……」
――エクリーユが、末姫ではなくなったせいだ。
少女が不義の子だと疑われてから怒り狂った国王が、王妃と営んだ結果生まれた愛の結晶だった。