虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
その尋常ではない様子を見た彼も、これ以上近づいたところで少女を怖がらせるだけだとわかっていたのだろう。
「怖がらせてしまったか……。ごめんね。いくら兄と言えども、名前すら名乗らずに触れるのはよくなかった……」
申し訳なさそうな声音を聞いて、愕然とする。
自分の兄は、4人だけのはずなのに――。
「お、にい……さま……?」
「うん。そうだよ」
不思議そうに小首を傾げた少女は、先日産まれたばかりのリシーロとエクリーユを含め、王家の子どもたちが5男3女だと言う事を思い出す。
その中で少女が顔を合わせたことがあるのは、7人のみ。
(1人、足りない……)
指折り数えてその事実に気づいた第2王女は、ぽかんと唇を開けて問いかける。
「あ、あなた、は……。第4、王子……?」
「うん。そうだよ」
彼は優しくエクリーユの髪色と同じ黒い瞳を和らげる。
その笑みに、敵意は感じられない。
(でも、もしも演技だったら……)
これまで5人の兄姉から、代わる代わる虐げられて来たのだ。
甘い言葉を囁いて信頼を勝ち取り、自分を地獄へ突き落とすために準備をしている可能性は捨てきれない。
少女は自称兄を信じ切ることができず、彼の名が紡がれるのを待った。
「怖がらせてしまったか……。ごめんね。いくら兄と言えども、名前すら名乗らずに触れるのはよくなかった……」
申し訳なさそうな声音を聞いて、愕然とする。
自分の兄は、4人だけのはずなのに――。
「お、にい……さま……?」
「うん。そうだよ」
不思議そうに小首を傾げた少女は、先日産まれたばかりのリシーロとエクリーユを含め、王家の子どもたちが5男3女だと言う事を思い出す。
その中で少女が顔を合わせたことがあるのは、7人のみ。
(1人、足りない……)
指折り数えてその事実に気づいた第2王女は、ぽかんと唇を開けて問いかける。
「あ、あなた、は……。第4、王子……?」
「うん。そうだよ」
彼は優しくエクリーユの髪色と同じ黒い瞳を和らげる。
その笑みに、敵意は感じられない。
(でも、もしも演技だったら……)
これまで5人の兄姉から、代わる代わる虐げられて来たのだ。
甘い言葉を囁いて信頼を勝ち取り、自分を地獄へ突き落とすために準備をしている可能性は捨てきれない。
少女は自称兄を信じ切ることができず、彼の名が紡がれるのを待った。