虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「これは……」

「ああ、そうかよ。次に2人きりで会うのが、楽しみだな?」

 絶句する弟を他所に、高笑いを響かせたフォセティは去って行った。

「大丈夫だよ……。怖くないからね……」

「うぅ……っ。う、う……!」

 ムガルバイトに優しく頭を撫でられたら、涙を堪えるなどできない。

 エクリーユは乳母に慰められていた時のように、わんわんと声を上げて泣き叫ぶ。

「助けて……っ。もう、痛いのも苦しいのも嫌……っ!」

「うん……」

「酷いこと、しないで……っ。お願い、だから……っ」

「俺と、ずっと一緒にいようね」

「兄、さま……っ」

「大好きな妹……。俺だけが、君を守ってあげられる。1番頼りがいのある兄だよ。ちゃんと、覚えて。心に刻み込んで」

「はい……っ」

 泣きじゃくるエクリーユにそう囁いた兄は、無理やり妹と約束を取りつけ、少女を抱き上げて自室に連れ帰ったのだった。
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