虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
 ――末姫、リシーロが生まれてから5年の時が経つ。
 彼女は無事に、異能を顕現させた。

「おお……! 我が娘、リシーロよ……!」

「ああ……っ。よかった……! 姉に似なくて、本当に……!」

「えへへ。お父様とお母様に喜んでもらえて、とっても嬉しいわ!」

 エクリーユはその光景を目にして、ますます絶望した。

(あんなにも小さく可憐なのに……。それに比べて、私は……)

 美しい白髪と愛らしき桃色の瞳を持つ妹が異能を発現させ、見事に植物を成長させたのだ。
 家族はみんなリシーロの虜で、自分を気にしてくれる唯一の存在はムガルバイトだけ。

(これも全部、私が無能だからいけないのよね……)

 すべてを末姫に奪われたような錯覚に陥ったエクリーユは、その怒りすら外に出す勇気もなく……。
 寂しそうに目を伏せると、「彼らから寵愛を受けたい」と叶わぬ願いをいだくことすら諦めた。
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