虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
 ――それから2年後。
 エクリーユが12歳、リシーロが7歳を迎えた日のことだった。

「早く、王城から消えろ!」

「ごめん、なさい……っ」

 家族が寄って集って姉を虐めている姿を目撃した妹は、ムガルバイトと一緒にいない時間を見計らい――長女のスイルと協力して少女を虐げ始めた。

「どうしてこんなのが、わたくしの妹なのかしら? 少しはリシーロを、見習ったら?」

「ええ。お姉様の、言う通りだわ!」

 エクリーユのちっぽけなプライドはずたずたに引き裂かれ、屈辱に全身を震わせる。

(お姉様やお兄様だけではなく、年下の妹にも馬鹿にされるなんて……!)

 4男とともに過ごした際に感じる幸せでさえも、素直に享受できなくなりつつあった。
 そんな中、誰もが寝静まった夜に――次女は末姫の襲撃を受けた。

「ムガルバイト兄様と仲良くなったからって、調子に乗ってんじゃないわよ!」

 彼女は自分を後ろから突き飛ばして寝台に横たわらせると、腹部にのしかかる。
 怯えるエクリーユの姿などまったく気にした様子もなく、妹は妹は己の異能を顕現させた。
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