虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「黙って聞いていれば……! 父上を、どこまで愚弄すれば気が済むんだ!」

 1番目の兄は、自分よりも立場の弱い人間からそのような目で見られるのが我慢ならなかったのだろう。
 彼は腰元の剣を引き抜き、妹に襲いかかった。

(鋭利な刃物を使って私を無効化しようとした時点で、ワンス兄様の負けは確定したも同然だわ……)

 エクリーユは己の周りに浮遊する炎で彼の武器を燃やし尽くすと、炎の鳥籠に兄を捕らえた。

(まずは、1人……)

 微笑みを深めた少女は、次の標的に狙いを定める。
 2番目の兄、ツゥエンだ。

「よ、よくも兄ちゃんを……!」

 この男は、長男がいなければ何もできない。
 腰巾着のような人物であり、単体であれば恐れる必要など何もなかった。

(2人……)

 兄を助けようとした次男を炎の牢獄に閉じ込めたエクリーユは、微笑みを消して長女を見つめる。
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