虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
 この千載一遇の機会を、逃すわけにはいかない。

 異能が目覚めたばかりの状態では、誰がどう考えても全員に復讐するのは無理だとわかっている。
 だから、エクリーユはある線引きを設けることにした。

(私を家族の一員として認めてくださるのなら、今までのことは水に流しましょう。けれど、もしも……)

 反省している姿を見せれば、後回しにする。
 だが、今まで通り虐げて来るのであれば――。

(全員自分と同じ苦しみを、味わわせてやるわ)

 第2王女が真紅の瞳に復讐の炎を燃え上がらせる姿を目にして満足したからか。
 身の危険を察知した獣は、トタトタと小さな四肢を動かして燃え盛る書庫をあとにする。

(みんな、喜んでくれるかしら……?)

 炎に塗れた少女は口元に歪な笑みを浮かべると、家族が一同に介する謁見の間へ歩みを進めた。
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