虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(次……)

 エクリーユは、4番目に生まれた男を視界に捉える。
 悲鳴こそ上げなかったが、「自分は潔白だ」と言わんばかりの態度に苛立って仕方がない。

(この期に及んでも、反省の色を見せないなんて……)

 3人の兄姉とは比べ物にならぬほどの、地獄を見せてやるべきだろう。
 エクリーユはどこか悲しげに、声を発した。

「フォセティ兄様。あなたは誰よりも暴力的で、私の身体に山ほど消えない傷を残してくださったわね……」

「だ、だからなんだよ!?」

「あなたにも、一生消えない傷を刻み込んであげる」

 ドレスで隠れる場所であれば、どれほど傷つけても構わない。
 そんな謎の持論を展開して殴る蹴るの暴行を続けた男には、ご自慢のベビーフェイスを使って女性たちを取っ替え引っ替えしないように顔を焼き、人前に出られないほどの火傷跡を作って生涯苦しませるのが一番だ。

「ぎゃああ……!」

 3男は焼け爛れた頬を抑え、その場に倒れ伏す。
 血を分けた兄弟たちの断末魔は、復讐が順調に進んでいる証拠だった。
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