虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「リドディエ様……? 苦しいわ……」

「随分、仲良くなったようだな」

「黒猫さんは異能の発現を手伝ってくれた、いい子ですもの……」

「僕よりも、好きか?」

「そんなの、比べられないわ……」

「なぁん」

 黒猫は身の危険を感じ、ぴょんっと机から飛び降りた。
 エクリーユは小動物を追いかけるために彼の腕から抜け出ようとしたが、陛下がそれを許すはずがない。

「ここにいろ」

「リドディエ様……」

「頼む」

 国王に懇願されては、拒否などできるはずもない。
 獣を追いかけるのは諦め、一切の抵抗を止めた。

「ありがとう」

 リドディエはエクリーユの首筋に優しい口づけを落としたあと、書類に目を通し始める。

(あれは……。王族の許可を求める書類、かしら……? そんなもの、外部の人間が見たら駄目よね……)

 瞬時に彼が処理している内容を把握した第2王女は、その内容を見ないように視線を逸らす。
 そんな己の配慮を目にした彼は、作業を続けながら固い声音で言葉を発した。
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