虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「エクリーユ。君はいずれ、僕の妻となる女性だ」

「リドディエ、様……?」

「見られて困るような書類の処理は、していない」

「でも……」

「どうしてもというのなら、何か暇を潰せるようなものを用意させる。何がいい?」

 しかし、その行動は陛下のお気に召さなかったようだ。
 彼は少女に問いかけたが、その好意を素直に受け取る気にはなれない。
 エクリーユは気まずそうに首を振り、陛下の心遣いに感謝した。

「い、いえ……。陛下のご厚意、感謝いたしますわ」

「本当に、いいんだな」

「ええ……」

「わかった」

 そうして彼は、再び書類の山を片づけ始めた。

(不思議なものね……。自国では、政には一切かかわらせてもらえなかったのに……)

 少女は感慨深い思いに包まれながら、彼が機械的に捌く書類に目を通した。

(アティール王国との、和平条約を解消……?)

 その中に気になる一文が書かれた書物を見つけ、エクリーユは戦慄した。
 長年友好国として名を連ねてきたアティールとレべラゼムの決裂を知らせる書類だ。
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