虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(あの国は、これからどうなるのかしら……)

 エクリーユの炎で顔を焼かれた国王は、プライドだけはエベレストのように高い。
 恐らく醜い姿で人前に姿を見せるくらいならば隠居するというタイプの男だ。
 もしも王座を下りるのであれば、交渉の座につくのは長男の可能性が高い。

(ワンス兄様は、無口で冷徹な方……。恐らく会談すらも拒否して、ツゥエン兄様を連れて乗り込んでくるでしょうね……)

 状況によっては、再び兄たちと垣間見えることもあるだろう。

(その時私は、どんな反応をすればいいのかしら……?)

 リドディエに忠誠を誓い、肉親に手をかけるか。
 恥を忍んで自国に戻るか――。
 恐らく、その2択となる。

「エ……ユ」

 ――どこからともなく、誰かが己を呼ぶ声が聞こえる。

「エクリーユ」
「……っ」

 それが誰かを悟った少女は、勢いよく意識を覚醒させる。
 第2王女が声のした方向を見上げると、そこにはリドディエがいた。
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