虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
それを不思議に思った少女が獣に問いかけると、「声を出さないで」と言うかのように鳴いた猫は第2王女の口元を肉球で塞ぐ。
(一体、何が……?)
少女は困惑しながらも、ソロリとその隙間から外の光景を覗き見た。
(イトゥク兄様……?)
エクリーユはすぐさま、それを後悔する。
己の身体に殴る蹴るの暴行こそ加えぬものの、痛ましそうな目で自分が虐げられるのをずっと見ていた傍観者――。
引っ込み思案で大人しい性格の5男が、視線を下に向けてオドオドとした様子を見せながら、誰かと会話をしている姿を目撃してしまったからだ。
(どうして、ここに……?)
気の強い兄たちに命じられるままに行動しかしていなかったのだから、単独で面と向かって顔を合わせたところで危害を加えられることはないとわかっている。
――それでも。
見て見ぬふりをされた怒りが、悲しみが、どす黒い憎悪となってエクリーユの心に渦を巻く。
少女はそれを必死に己の内側に押し留めながら、耳をそば立てた。
(一体、何が……?)
少女は困惑しながらも、ソロリとその隙間から外の光景を覗き見た。
(イトゥク兄様……?)
エクリーユはすぐさま、それを後悔する。
己の身体に殴る蹴るの暴行こそ加えぬものの、痛ましそうな目で自分が虐げられるのをずっと見ていた傍観者――。
引っ込み思案で大人しい性格の5男が、視線を下に向けてオドオドとした様子を見せながら、誰かと会話をしている姿を目撃してしまったからだ。
(どうして、ここに……?)
気の強い兄たちに命じられるままに行動しかしていなかったのだから、単独で面と向かって顔を合わせたところで危害を加えられることはないとわかっている。
――それでも。
見て見ぬふりをされた怒りが、悲しみが、どす黒い憎悪となってエクリーユの心に渦を巻く。
少女はそれを必死に己の内側に押し留めながら、耳をそば立てた。