クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
「……先輩、考えすぎです」

少しだけ、いつもの明るい口調を混ぜて。でも、瞳には誤魔化しようのない熱を込めて、私は真っ直ぐに彼を見つめた。

「私、先輩のこと、全部は分からないです。……でも決して、完璧さなんて求めてない。
……それに、私、子どもじゃないですよ。……ずっと、ずっと…ちゃんと考えて、全部分かった上で、先輩の隣にいたいって言ってるんです。……だから、大丈夫です」

その言葉が、先輩が最後の一線で踏みとどまらせていた理性を、ふっと解いた気がした。

「……そうか…」

短く答えた先輩の腕に、ぐっと力がこもる。
私を壊さないように、けれど二度と離さないという切実な強さで抱き寄せ、私の首筋に顔を埋める。
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