クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
やがて、彼女が帰り支度を始める気配がした。
俺はキーボードを叩く手を止めず、モニターに向かったままやり過ごす。
執務室のドアの前で彼女が、フロアに残った数名に対して「お先に失礼します。お疲れ様でした」と控えめに挨拶するのが聞こえたが、俺は集中して聞こえてないフリをした。
ふと彼女の視線がこちらに向いた気がしたが、それにも気づかないフリを貫いた。
ドアが静かに閉まった。
静かになったフロアで、俺はようやく息を吐いた。
たかが缶コーヒー一本。それだけのことに、これほど消耗するとは思っていなかった。
俺はキーボードを叩く手を止めず、モニターに向かったままやり過ごす。
執務室のドアの前で彼女が、フロアに残った数名に対して「お先に失礼します。お疲れ様でした」と控えめに挨拶するのが聞こえたが、俺は集中して聞こえてないフリをした。
ふと彼女の視線がこちらに向いた気がしたが、それにも気づかないフリを貫いた。
ドアが静かに閉まった。
静かになったフロアで、俺はようやく息を吐いた。
たかが缶コーヒー一本。それだけのことに、これほど消耗するとは思っていなかった。