クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
(……何をやっているんだ、俺は)

突き放すと決めたはずなのに。独り立ちさせると言ったはずなのに。結局俺は、影で彼女を守ることに執着している。
……だが、これでいい。俺が裏で動いたなんて、彼女が知る必要はない。
部長にしても、部下の一人に詰め寄られて折れたなんて事実は、自分のメンツに関わる。ここだけの話になるはずだ。

彼女にはただ、「自分の企画の熱意がついに頑固な上司を動かした」という純粋な成功体験だけを持っていてほしい。それが、今の俺ができる唯一の、そして最後の教育なのだから。
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