【凛視点】クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
でも、ふと気づいてしまったことがある。
みんなが「りんりん」と呼ぶ中で、先輩は——まだ一度も、名前で呼んでくれたことがない。
いつも苗字か、そもそも名前を呼ばずに話しかけてくる。
(……なんで、気になるんだろう)
別にいい。先輩と後輩なんだから、仕事の会話ができれば十分だ。
でも、みんなに親しげに名前を呼ばれるたびに、どこかで——あの低くて静かな声で、自分の名前が呼ばれたらどんな感じだろう、なんてことを、少しだけ想像してしまう。
(……やめやめ。仕事しよ)
無理やり気持ちを切り替えるように、マウスを握った。
フロアの向こう側で、先輩がまた画面に向かっている。
その横顔を、ほんの一瞬だけ眺めてから——自分の仕事に視線を戻した。
みんなが「りんりん」と呼ぶ中で、先輩は——まだ一度も、名前で呼んでくれたことがない。
いつも苗字か、そもそも名前を呼ばずに話しかけてくる。
(……なんで、気になるんだろう)
別にいい。先輩と後輩なんだから、仕事の会話ができれば十分だ。
でも、みんなに親しげに名前を呼ばれるたびに、どこかで——あの低くて静かな声で、自分の名前が呼ばれたらどんな感じだろう、なんてことを、少しだけ想像してしまう。
(……やめやめ。仕事しよ)
無理やり気持ちを切り替えるように、マウスを握った。
フロアの向こう側で、先輩がまた画面に向かっている。
その横顔を、ほんの一瞬だけ眺めてから——自分の仕事に視線を戻した。