【凛視点】クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
先輩の、あの低くて心地よい声。
けれど、その内容はあまりに予想外だった。

(……図書館?)

思わず足が止まった。

「はあ? 図書館? 落ち着く? 何言ってんだお前、怒られるぞww」

同僚が素っ頓狂な声でツッコむ。

「……そうか? 俺はそう感じたんだが」
「そうか、じゃないよ! 部長に聞かれたらどうすんの!」
「……部長はもう行ったろ」
「いやいやいやそういう問題じゃなくて——!」

私は、廊下の少し後ろで、口元を押さえた。

(……ぷっ)

図書館。

言われてみれば——今日の会議、確かに静かだったけど。それを「図書館みたい」と表現するのか、先輩は。
しかも悪い意味じゃなくて、「落ち着く」という感想つきで。

(……なにそれ。なんか分かる気もするし、面白い…)
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