【凛視点】クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
(……やばい。どうしよう)
今、自分の顔がどんな色をしているか、鏡を見なくてもわかる。
怖くて、近づきにくくて、仕事のことしか考えていない人だと思っていた。
なのに。
(……あ。これ、もう、言い逃れできないかもしれない)
もう見えなくなったはずの彼の背中が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
雨の中に消えていったあの広い背中に今すぐ駆け寄って、同じ傘に入りたくなるような。
そんな言葉にできない衝動が、胸の奥から溢れ出して止まらなくなった。
私は、傘の柄を両手でぎゅっと握り締めた。
冷たい雨の午後。
傘の中だけは、彼の体温が残っているみたいにいつまでも熱を帯びている気がした。
今、自分の顔がどんな色をしているか、鏡を見なくてもわかる。
怖くて、近づきにくくて、仕事のことしか考えていない人だと思っていた。
なのに。
(……あ。これ、もう、言い逃れできないかもしれない)
もう見えなくなったはずの彼の背中が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
雨の中に消えていったあの広い背中に今すぐ駆け寄って、同じ傘に入りたくなるような。
そんな言葉にできない衝動が、胸の奥から溢れ出して止まらなくなった。
私は、傘の柄を両手でぎゅっと握り締めた。
冷たい雨の午後。
傘の中だけは、彼の体温が残っているみたいにいつまでも熱を帯びている気がした。