クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
仕事始めの朝。一週間ぶりに足を踏み入れたオフィスは、まだ冬の冷たさが残り、どことなく静まり返っていた。私は自分の席に荷物を置き、パソコンを立ち上げながら、無意識にフロアの入り口を追ってしまう。
(……まだ、来てない)
落ち着かない指先で、溜まったメールを捌く。年始の定型文を打ち込みながらも、執務室のドアが開くたびに肩が跳ねる。
——そして。不意に、視界の端に「彼」が映った。いつの間に現れたのか、フロアの向こう側で静かにコートを脱ぐ後ろ姿。椅子を引き、パソコンを立ち上げる。その、あまりに日常的な一連の動作を見た瞬間。
(……あ。戻ってきた)
私の中で、止まっていた時間がようやく動き出すのを感じた。
(……まだ、来てない)
落ち着かない指先で、溜まったメールを捌く。年始の定型文を打ち込みながらも、執務室のドアが開くたびに肩が跳ねる。
——そして。不意に、視界の端に「彼」が映った。いつの間に現れたのか、フロアの向こう側で静かにコートを脱ぐ後ろ姿。椅子を引き、パソコンを立ち上げる。その、あまりに日常的な一連の動作を見た瞬間。
(……あ。戻ってきた)
私の中で、止まっていた時間がようやく動き出すのを感じた。