クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
彼はプロジェクト全体のリーダーであり、私はそこから切り離されたSNSユニットのリーダーだ。
「自立」を促されてチームを任された以上、単なる報告やちょっとした相談で多忙な彼の時間を奪うわけにはいかない。
視線を上げれば遠くにその姿が見えるけれど、彼はいつも真剣な表情でモニターを睨んでいるか、他の社員と話し込んでいる。まるで、私から話しかけられる隙を意図的に潰しているみたいに感じるほどだった。
そんな折、一人で背負うにはあまりに重い決断が私の前に立ちはだかった。
ブランドの根幹に関わる大規模なインフルエンサー施策。まずは同じ企画部の先輩に相談してみたものの、最終的な判断はリーダーのりんりんが決めてねと一任されてしまい、私は深い迷いの中に取り残されてしまった。
(……先輩に、少しだけ、聞いてみようか)
プロジェクトの責任者である彼に、全体の方針とすり合わせるため意見を仰ぐ。それなら、不自然じゃないはず…
けれど、険しい表情でモニターと対峙している今の先輩には、どうしても近寄れなかった。
あそこで声をかけても、きっと事務的にあしらわれて終わってしまう。
なので私は、先輩が一人で給湯室へ向かう一瞬の隙をずっと待っていた。
一息ついている時なら、あるいは…という淡い期待を抱いて。
「自立」を促されてチームを任された以上、単なる報告やちょっとした相談で多忙な彼の時間を奪うわけにはいかない。
視線を上げれば遠くにその姿が見えるけれど、彼はいつも真剣な表情でモニターを睨んでいるか、他の社員と話し込んでいる。まるで、私から話しかけられる隙を意図的に潰しているみたいに感じるほどだった。
そんな折、一人で背負うにはあまりに重い決断が私の前に立ちはだかった。
ブランドの根幹に関わる大規模なインフルエンサー施策。まずは同じ企画部の先輩に相談してみたものの、最終的な判断はリーダーのりんりんが決めてねと一任されてしまい、私は深い迷いの中に取り残されてしまった。
(……先輩に、少しだけ、聞いてみようか)
プロジェクトの責任者である彼に、全体の方針とすり合わせるため意見を仰ぐ。それなら、不自然じゃないはず…
けれど、険しい表情でモニターと対峙している今の先輩には、どうしても近寄れなかった。
あそこで声をかけても、きっと事務的にあしらわれて終わってしまう。
なので私は、先輩が一人で給湯室へ向かう一瞬の隙をずっと待っていた。
一息ついている時なら、あるいは…という淡い期待を抱いて。