クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
デスクに戻り、パソコンを開く。承認された予算の通知が、画面で誇らしげに輝いている。 私はそれを見つめながら、フロアの向こう側をもう一度だけそっと見やった。

彼はすでに、いつもの静かな横顔で仕事に戻っていた。

(……不器用すぎますよ、先輩。でも、ちゃんと届きました)

声には出さず、心の中でだけ告げた。 この距離がいつかゼロになる日を信じて。
私は深く息を吸い、キーボードを叩き始めた。
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