クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
カツン、カツン、という靴の音が遠ざかり、再び静まり返ったフロア。
手元には、先輩が一年半大切に持っていてくれた、ボロボロの企画書。
最高に嬉しいはずなのに、胸の奥がチリチリと焼けるように熱い。
(このプロジェクトを成功させたら、先輩の隣にふさわしい存在になれると思っていたのに……)
仕事という最大の接点があったからこそ繋がれていた糸が、今、ふつりと途切れてしまった気がした。仕事で成果を出しても、彼にとって私は「後輩」のままなのだ。
プロジェクトも終わり、これからはもう堂々と話しかける口実は無い。
このままよくできた後輩で終わったら、二人の関係はきっと「部署違いの先輩と後輩」に逆戻りしてしまう。
(そんなの、絶対に嫌だ……)
涙を堪えながら、私はボロボロの企画書を両手で強く抱きしめた。
(いつまでも、背中を見送るだけの自分のままではいたくない。……後輩としてじゃなく、一人の女性として見てほしい)
……いつか、仕事以外の理由でこの距離を縮められる日が来るように。
夜のオフィスで、私の心には静かだけど消えることのない「小さな決意」の火が灯っていた。
手元には、先輩が一年半大切に持っていてくれた、ボロボロの企画書。
最高に嬉しいはずなのに、胸の奥がチリチリと焼けるように熱い。
(このプロジェクトを成功させたら、先輩の隣にふさわしい存在になれると思っていたのに……)
仕事という最大の接点があったからこそ繋がれていた糸が、今、ふつりと途切れてしまった気がした。仕事で成果を出しても、彼にとって私は「後輩」のままなのだ。
プロジェクトも終わり、これからはもう堂々と話しかける口実は無い。
このままよくできた後輩で終わったら、二人の関係はきっと「部署違いの先輩と後輩」に逆戻りしてしまう。
(そんなの、絶対に嫌だ……)
涙を堪えながら、私はボロボロの企画書を両手で強く抱きしめた。
(いつまでも、背中を見送るだけの自分のままではいたくない。……後輩としてじゃなく、一人の女性として見てほしい)
……いつか、仕事以外の理由でこの距離を縮められる日が来るように。
夜のオフィスで、私の心には静かだけど消えることのない「小さな決意」の火が灯っていた。