入学先が、急に変更……?変更先に行ったら、そこはなんと男子校でした2

『 漫画みたいな遅刻 』



僕、──録咲 萌は、目を覚まして一秒で思考が停止した。

最初に視界に移ったのは、時計。

0.5秒で数字を理解。

11:27

カチ、カチ、と残酷に響く時計音。

「ち、遅刻だぁぁぁぁっ!!」

ガバッと起き上がって、高速で制服に着替え、ウィッグを被り、色々準備して、はい完璧な男装が完成。

そして次はビジュチェック。

ニキビ、肌の乾燥、睫毛の角度まで。

ここまでの時間を、合計すると────、

37分。

ほっと息をつき、時計を見る余裕が出来ると、ちょうど12時になっていた。

冷静に考えてみよう、と思い、目を閉じて腕を組む。

そもそも、いつも目覚ましではなく母に起こしてもらってた。

そう言えば、ルームメイトの哀銘くんに「明日起こして」って伝えたか?

哀銘くんは多分とっくに学校へ行ってるはず。

僕を起こさずに?

放っておいて?

大事な大事な、ルームメイトを……、

お、置いてった……!?

僕は、心に決めた。

今夜、哀銘くんをシバいて、土下座させる、と。

目標が決まった後は、学校に行くのみ!

お昼登校でも、先生は許してくれるでしょ。

バックを肩にかけ、スキップしながら校門へと向かった。

通り過ぎる者は、もちろん誰もいない。

まあ当たり前だよねっ。

花音とも、中学でお昼登校したなぁ……

って、いやいやいや、もう絶交したんだから。

今考えてみると、あの時の僕、かなり冷たかったよね……

めちゃ辛辣だったし……

ほんとに絶交して正解だったのかな?

あとちょっと僕人格変わった。

新しい場所、学校、雰囲気。

それに応じて、流れで性格も変化したような、してないような。

そう考えながらも、校門についた。

警備員さんが、怪訝そうな顔をしたけど、無言で門を開けてくれた。

「ありがとうございます〜。」

可愛いお返事は、日頃のルーティーン。

好感度、印象を良くするための、処世術。

僕、寂しがり屋だからいつでも人と繋がっていたいんだ。

でも、きちんと人間性を把握して、厳しく選ぶのでご安心を!

……あのゲムオタは、最悪の場合、僕がぼっちになったらの時の最終手段。

我ながらほんとにごめんだけど、仕方なくない?

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