偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 正直、東條が春花をお風呂に入れてくれただけで、家のことがとても進んだ。
「依織ー! 春花が上がるよー」
「はーい」

 普通の家族のように声掛けに返事をする。
 胸がほっこりと温かくなったのを依織は自覚しないわけにはいかなかった。

「はい、春花をよろしく」
「ありがとうございます」
 お風呂から上がってきた東條は腰にタオルを巻いただけで、春花を依織に渡しに来る。

 鍛えられた身体が目に入って、思わず依織は目を逸らしてしまった。
 顔が赤くなって、ひとりであわあわとしていると、春花にきょとんとされた。

「ママ?」
「あ、ちゃんと髪、乾かそうね」
(東條さん、前より引き締まってない……? いや、そんなにしっかり見たわけじゃないんだけど)

 春花の髪にドライヤーを当てながら、そんなことが頭に思い浮かぶ。
 依織は今見た東條の上半身を、慌てて頭の中から追い出そうとする。

 ドライヤーをしているうちに春花が船を漕ぎ出したので、髪が乾いたことを確認して、布団に寝かせた。
 寝室の扉をそっと閉めると、タオルで髪を乾かしながらお風呂場から出てきた東條が居間にいる。
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