偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 明日という宣言通り、東條は翌日にまた保育園へ姿を見せた。
 今日も私服だ。グレーのパーカーに黒のデニム。カジュアルな装いも似合う。

「東條さん、お忙しいのじゃないんですか?」
 さすがに平日、毎日姿を見せる東條に依織は心配になってきた。
 まさか、外務省をクビにはなっていないよね?

「二年以上海外での過酷な勤務に耐えてきて、報告も終えた。今は休養期間だよ。有休を使うように指示されているんだ。心配しなくて大丈夫」
 東條は依織に向かってにっこり笑う。

「それならいいんですけど」
 いいけど、よくない。

 保育園に二人で姿を見せると、東條は保育士どころか、お迎えのお母さま方にまでぼうっと見蕩れられている。

 近寄り難い端正さのせいか、遠巻きにして見ているのが分かる。その姿とすらりとした長身にみんなの目が釘付けだ。

「パパーっ!」
「春花、お帰り。今日も靴を履けるかな?」
「うんっ!」

 東條の姿を見て、真っすぐに春花が駆け寄ってくる。満面の笑顔が愛らしい。
(私がお迎えの時、そんな笑顔あった?)

 きっと自分にだけお父さんがいないと寂しかったのだろうと思うと、せっかくの東條の好意に甘えたくなる。
 けど、このまま甘えてしまって大丈夫だろうかと一抹の不安も拭えない。
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