偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「ん……」
 見慣れない天井。真っ白で段差になっているオシャレなデザインの天井は、依織の家のものとは異なる。

「おはよう」
 耳に響く、低くて甘い声。
(東條さんちだ!)

 飛び起きそうになるけれど、肌に直接掛布団が触れている感触で飛び起きるのをやめる。
 さらりとした感触の布団をきゅっと胸元に抱き寄せた。
 東條が素肌のまま、依織を抱きしめる。

「なんか、久しぶりによく寝たよ」
「え? そうなんですか?」
「極限状態の外交官にはよくあるらしいんだけど、何度も現場を思い出して、眠りが浅くなったりするそうだ。俺もその症状に悩まされていたから」

 本当に大変な場所にいたのだと、依織は東條を労わりたくなった。依織は自分からぎゅっと抱きかえす。
 春花にもよくやっていた。体温が直接伝わることは安心につながるから。

「もう大丈夫です。東條さんはここにいます」
「うん……」
 素直に甘えるような仕草を見せる東條は普段の姿とは違って、依織に心を許してくれているようだった。
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