偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「よし! 買うぞ!」
「かう!」

 翌日、東條が向かったのは繁華街にあるデパートだった。春花をカートに乗せて、三人でデパート内を巡る。

 東條はキッチン用具、春花の着替え、さらに春花が興味を持ったものはすべて購入しそうな勢いだったので、依織が止めるのも大変だった。

 依織の服や化粧品まで購入し、もう幾ら使ったのか分からない。依織は目が回りそうだった。

 しかも、買い物には外商員がぴったりとくっつき、次々と購入を決める東條に驚くこともなく、にこにことしているばかりか「知育玩具はいかがですか?」と追加の購入まで勧める。

「そうだ、今度外務省の関連でパーティがあるんだが、依織にも参加してもらえないか?」
「そんな、お仕事先の集まりなんて大丈夫なんですか?」
「もちろん。俺が担当している東欧の大使館のパーティでパートナーが必要なんだ。依織以外には考えられない」

 とはいえ、急にパーティに顔を出すというのはどうなんだろう。外務省の関連ということは東條の同僚などもいるのではないだろうか。

「ご迷惑じゃないですか?」
「依織の立場をハッキリさせるにはいい機会だ」
 一体どんな立場なんだろう。

「近いうちに籍を入れようと思う。春花のためにもそうしたい」
 外商員には聞こえないように小さな声で東條は言った。
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