偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 もちろん安いものでもないが、先ほどのように何千万円とするものではない。
 購入するものも決まって落ち着いてホッとしていたら、外商員が囁いた。

「東條さま、こちらはドロップタイプのイヤリングもございます。お揃いにされますと、さらに可憐さがプラスされるかと存じます」
「買おう」

 即答で依織が止める間もなかった。
「ありがとうございます」
 外商員は丁寧にお辞儀をする。

 依織はくらりとした。
 購入金額が一気に倍になったからだ。
 一方で依織に似合うものが買えたと、東條はここ最近見たことがないほどほくほくしていた。

 ドレスについても依織の身体にぴったりお直しをしてから届けられるそうで、三日ほど時間がかかるとのことだ。
 帰りの車の中でそう伝えられた。

 家についたら依織は東條に軽く抱かれてキスをされる。
「お帰りのキスだ」
「パパー、はるも!」

 自分もしてほしいとおねだりする春花に、東條は軽く身をかがめ、春花の頬の近くで小さくちゅっと音を立てた。挨拶のための触れないキスだ。

 それでも依織と同じようにしてくれただけで、春花が大満足の様子なのが愛らしい。

 三人でこんなに幸せな時間を共有できるなんて、少し前の依織からは考えられないことだった。
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