偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 春花が寝てから、依織がリビングのソファでお茶を飲んでいると、東條がバスルームから出てくる。
「東條さんも飲みますか?」
「依織、そろそろ名前で呼ばないか?」

 お茶を淹れる依織の手が止まる。
 顔が赤くなっているのが分かった。

 意識すると余計に呼べなくなりそうだが、東條は期待に満ちた目で依織を見ている。

 決心して依織は口を開いた。
「悠臣……さん」
「ん?」
 声が小さくて聞こえなかったんだろうか。

「悠臣さん」
「うん」
 ちらっと東條を見ると、見たことがないほどに表情がほころんでいる。

「嬉しそうです」
「幸せだからね。依織が側にいてくれて、可愛い娘まで一緒にいる。帰国する前にはこんなに幸せなことが起こるなんて、予想もしていなかった」

 それは依織もそうだった。
「私も少し前までは考えられないくらい、今幸せです」
「もっと幸せにしたい」
「私も悠臣さんを幸せにできるでしょうか」

 ソファで隣に座った東條が依織の肩を抱く。
「こうして依織が側にいてくれたら、それだけで幸せだ」
 依織も東條の背中に腕を回した。
「私も幸せです」
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