偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 橘は東條には言い返すこともできずに、くやしそうな表情で依織たちを見送っていた。

「彼女とは大学が同じで、たまたま同じ省庁に入っただけのことなんだ。俺を自分のもののようにでも思っていたのかもしれないな」
「ご実家に出入りされていたのなら、誤解も納得ですね」

 平気で実家へ出入りしていたのなら、両親公認だと思っていて当然だろう。
「時期を見計らっていたが、依織がそう言ってくれるのなら、帰りに実家へいこう」

(ん? なんですって?)
 にっこりと機嫌良さそうに笑う東條に向かって、依織は笑顔で首をかしげた。
「どういうことですか?」

「言葉どおりだ。近いうちに両親を紹介する機会を設けようと思っていたが、依織にどう言えばいいか迷っていた。依織の方が会いたいと言ってくれるのなら、これほど嬉しいことはない」
「え? 会いたいとか言ってな……」

「誤解されたくないなんて可愛いな。俺には依織だけだから」
 だから、言ってないんですけど?
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