偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 その姿を見て、旭陽は依織に微笑む。
「あいつは昔から手がかからない子で。息抜きをする術を知らないんじゃないかと思ったが、依織さんの前ではあんな安らいだ顔を見せるんだな」

「真面目すぎだよね。もっと肩の力を抜けばいいのにって思ってた」
 遥斗が依織の手に飲み物を渡す。

「でも俺たちにとっては大事な弟だ。依織さん、悠臣をよろしくお願いします」
 大きな企業のトップでもある旭陽が、依織に向かって頭を下げる姿は、以前父が依織に向かって頭を下げた姿と似ていた。

 この親子の愛情がどれほど深いか、依織は痛いほどに感じる。
 素敵な家族だと思わずにはいられなかった。

 依織の隣に座っていた春花はお腹がいっぱいになると、東條家の庭が気になるようでそわそわし始める。
 というのも、庭の奥に砂場やブランコ、うんていや滑り台のある公園のような遊び場があるからだ。

 長男の旭陽に子どもができた際、東條の母が作らせたものだった。
「春花、庭が気になるか?」
 伯父である遥斗が尋ねると「うん!」と春花は元気に返事をする。

「湊、一緒に行ってあげようか」
「分かった」
 遥斗は自分の息子の湊と一緒に、春花を連れて遊び場へ向かう。
「依織さんはゆっくりしていてよ」
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