偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「お義母さん、すみません。よろしくお願いいたします」
「いいえ。二人とも頑張ってきてね。さぁ、春花ちゃんは、ばぁばと遊びましょう」
「はぁい」

 ばいばーいと手を振る春花は大好きになった祖母と一緒に遊ぶのを楽しみにしていた。

 すっかりドレスアップした依織は真珠が葡萄のように連なってぶら下がっているイヤリングをお手伝いさんから受け取り、耳元に付ける。
 東條と一緒に迎えのハイヤーに乗った。

 * * *
 
「そのイヤリング、やっぱり似合ったな」
「どれだけプレゼントすれば気が済むんです?」
 新作が出るたびにデパートの外商員から東條へ連絡をもらうようにしているのは、依織には秘密なのだった。

「依織が似合うからいけない」
 東條は依織のこめかみに軽くキスをした。

「悠臣さんこそ」
 艶のある素材のタキシード。黒は東條が最も好む色だ。
 ソシアルグランドホテルの豪奢なロビーに二人が足を踏み入れると、フロア中の客が注目する。

(依織の美しさは他を寄せ付けないな)
 今日の依織はミッドナイトネイビーのスレンダードレスだった。

 デコルテが上品に見えて、東條が送ったイヤリングとセットのパールのネックレスが胸元を飾っており、背中が少しだけ空いている。
 緩やかに巻いてアップにした髪が依織の細い首に柔らかく絡んでいた。

 車から降りて依織の後ろ姿を見た東條が固まる。
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