偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「なかなかご連絡できなくてすみません。実は結婚したんです」
 依織はお世話になった人へ現状を報告できることが嬉しくて、つい笑顔になる。

「それはおめでとう。その人は春花ちゃんのことも……」
「実は春花の父親と会うことができて……彼と」
 少し照れくさくて、赤くなって依織はうつむいた。

「そうか……それはよかった」
「本当にありがとうございます。御堂さんには感謝しているんです」
「いや、何もできなかったよ。それでも、桜葉さんがこうして幸せにしていてくれるのなら嬉しい」
 ふふっと依織は笑う。

「もし、桜葉さんが今でも一人なら……ここでの出会いは運命なのかと思った」
「え?」
 御堂の声が会場のざわめきにかき消される。

「なんですか?」
「いや……なんでも……」
 そう言いかけた御堂の前の依織の横に東條が寄り添う。
「依織? こちらの方は依織のお知り合い?」

「東條参事官……?」
 東條は自然に依織に寄り添い、そっと腰に手を添える。

「以前お見かけしたことがありますね」
「あ、以前こちらのプロジェクト発進の際に、名刺を交換させていただいております」
 外務省のVIPである東條に声をかけられ、御堂は緊張した様子だった。
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