偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 いってきますのキスは子どもの前であっても必ずする、が東條家のルールだ。
 子どもがいる時は頬へというのが依織との約束で、それだけが東條の不満ではあったのだが。

 今日はキスのあと、東條が身体をハグして耳元にそっと囁いた。
「……今日もありがとう」
「こちらこそ」

 こうやってこまめにお礼を言ってくれることが嬉しい。
「俺の帰る場所をこうして毎日守ってくれてる。心から感謝してるよ」
 朝から涙がこぼれそうなほどの感謝の言葉だった。

「じゃあ、いってくる」
「いってきまーす!」
 元気な二人を送り出すこと。
 溺愛は静かで、確実で、日常に溶けていた。
 
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