偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 東條は少し考えるように首を傾げる。
「行ったことないな。でも最近注目度も高いし興味はあった」
「私一人でも行こうと思っていたので、ご無理はされないで、もし他に行きたいところがあればそちらでも大丈夫です」

「行きたいと思っていた場所を挙げてくれたのか。すごく嬉しいよ。俺も行ってみたかったし、ぜひ一緒に行こう。そこなら車で行ってもいいな。ドライブはどう?」

 まさか、ドライブを提案されるとは思っていなかった。戸惑いもあるが嬉しさの方が大きい。

「いいんですか?」
 つい笑顔になるのを止めることはできなかった。
「もちろん。こう見えて運転は結構得意なんだ」
 おどける東條に依織は笑顔を向ける。

「うふふっ、こう見えてって東條さんはスポーツも万能そうですよ」
「そう言ってもらえて、ありがたいな。出掛けるのは、いつにしようか?」

 東條はスマートフォンのスケジュールアプリを開いて依織に尋ねる。
即座に日にちを決めるのも、とてもスマートで感じがいい。

「そうですね……では来週の土曜日はいかがでしょう?」
「うん。ちょうど予定も空いている。もし、嫌じゃなかったら迎えに行くよ」

 ポンポンと話が決まっていくのが気持ちいいくらいだった。

 近づきすぎず、依織に気をつかってくれているのがとてもよく分かる。
 普通なら迎えに行くというのは自宅を教えるということで抵抗を感じるものかもしれない。
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