偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「こんなに誰かを愛おしいと感じることがあるなんて思わなかった」
 柔らかく何度も唇が触れ合う。
「私も」
 こんなに誰かを好きになるなんて思わなかった。

 この人が好きだという気持ちは胸からあふれ出てきて留まることを知らないようだ。

 依織の部屋着を脱がせた東條が肌に触れる。
 肌に触れたところへキスを落としていくから、指で辿られたところは次にここにキスをされると言われているようだ。

 お腹から胸の下へと指先が辿り、胸の先の尖りを引っ掻くようにされる。
 胸の先を口に含まれて柔らかく舌先でなぞられる感覚に背中を震わせて甘い声を漏らすことしかできない。

「依織……可愛い」
 名前を呼ばれるだけでも身体が熱くなる。
 依織は東條の背中に腕を回した。

 ふっと笑った東條が依織の耳元に唇を寄せる。
「そんなことしたら、今日は寝かせてあげられないから」

 返事の代わりにぎゅっと抱きしめ返した。
 優しい恋人。甘い時間。
 包み込まれるほど幸せな時は続くと思っていた。
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