偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 そんなことがあってから二年が経過していた。
当時生まれたばかりだった春花も今は二歳になり、一緒に歩いて保育園まで行くことができる。

 ここまで来るのも大変だった。
 生まれて間もない春花は熱を出したり、お腹を壊したり、体調を崩すことも頻繁にあった。

 助かったのは依織の勤め先のNPO法人が、自宅アパートや保育園からも近かったこと。
 依織のお母さん世代が会社にいることもあって、なにかあれば「早く帰ってあげて!」と配慮してくれていたことだ。

 おかげで、ずっと変わらずに勤めることができている。
 依織が旅行代理店時代に勉強した日本文化についての知識も活かすことができ、語学力も役に立っていた。

 海外向けの日本文化紹介イベントがあったときも、書道のワークショップや茶道体験、SNSなどでの発信も依織は積極的に企画した。

 特にSNS運用に関しては今まで団体ではできる人がいなかったようだ。
「やっぱりそういうのは若い方にやっていただくと助かるわ」

 イベントの時は丁寧に許可取りをしたり、きめ細かな発信をすることで、フォロワーも少しずつ増えていた。
 今ではSNSも大事な窓口のひとつとして認識されている。

 仕事も充実している中、プライベートも大変ではあったけれど、充実していた。
< 79 / 169 >

この作品をシェア

pagetop