偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
(これ……この耳の形)
 生年月日からも推測はしていた。明らかに依織が妊娠した時期は東條との交際期間と被る。

 けどそんなことよりも何よりも、耳の形が東條にそっくりだ。
 自分の中の血が沸騰するかのような感覚があった。目の奥が熱くなる。

 絶対にそうだという確信があった。
 それはなにか証拠があったとかそういうものではない。
 ただ、自分の子なのだという強い確信。

 ベッドサイドに座って眠っている春花の顔を見ながら、看護師に追い出されるまで何度も東條は春花の小さな頭を撫でていた。

 * * *

 お母さんはゆっくりしてくださいと言われたものの、よく眠れない朝を迎えた依織は鏡を見て支度をする。

 動きやすいサブリナパンツとパーカーで、いつもと変わらないファッションだ。春花が顔を触ることもあるので、化粧もあまりしない。

 バスで昨日の病院へ向かい、ナースセンターに挨拶をする。
「桜葉です」
「あー、桜葉さん! 今日はお父さんが先に来てくださってるんですね」

 お父さん……?
 まさかと思い、依織は慌てて春花の病室に向かった。
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