偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「そうだな。本当にその通りだ。どれだけでも責めを受ける。その上で聞く。春花は俺の子だな?」

 もう、隠せない。
 やはり東條には分かっていた。
 口に出して返事をすることができなくて、依織はこくりと頷いた。
 東條はそれを横目で見て、ふっと目を細める。

「依織、ありがとう。春花を産む選択をしてくれて、諦めないでくれてありがとう」
 優しくポンポンと大きな手のひらで撫でられたら、依織は今まで堪えていたものが溢れるように涙をこぼした。

 ありがとうという言葉だけで、苦労は報われたような気がした。
「とても身勝手なことは分かっている。その上で、これからの二人を預けてくれないか」

 依織は首を横に振り、思わず東條の方を向いてしまった。
「いいえ。そのために産んだのじゃないんです」
「責任感だけで言ってるんじゃない。君たち二人と今日一日を過ごして、もっと一緒に過ごしたいと感じたからなんだ」
 真剣な表情で依織を見る東條に、揺らぎはなかった。

 それでも依織はもう独りで暮らしていくのだと、春花がお腹にいる時に決めていたのだから。
「本当に心から、後悔している」

「東條さん、あなたが気にすることはないです。春花はとてもいい子ですし、あの子との縁をくださっただけで、十分です」
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